ROAR――ロシア反体制芸術レビュー

ROAR--Russian Oppositional Arts Review というウェブ雑誌が近頃創刊されました。ウクライナに対するロシアの戦争を非難する目的で創刊された雑誌のようです。編者のリノール・ゴラーニクは、創ったばかりのこの雑誌の廃刊を心待ちにしていると言います。なぜなら、「犯罪的ロシア体制」に反対する必要がなくなれば、すなわち現体制が崩壊すれば、雑誌はその役割を終えるからです。

 

『ROAR』は、さまざまなジャンルから構成されており、それぞれ「声」、「エッセー」、「詩」、「アート」、「音」と名づけられています。ぼくが目を通した限りは、小規模な「作品」が目立ちますが、淡々と哀しみをつづったもの、ユーモアの中に反戦の意志を滲ませたものなど、内容は多岐にわたっています。

 

『ROAR』創刊号の中から、「作品」をひとつだけご紹介します。著者は「Борис 悪人」。日本にも多くの翻訳がある作家で日本文学研究者のボリス・アクーニンです。

 

戦車(タンカ)

かたつむり そろそろ登れ 富士の山

ロシア艦 さっさと行けよ おのが路

 

ちなみに、今回の戦争に関するアクーニンのインタビューをYouTubeで視聴できます。英語字幕もあります。