今年に入ってから、ハルムス研究を標榜するこのサイトにハルムス関連以外のトピックを積極的に載せるようになりました。海外文学の読書案内や、現代日本文学のレビューなどがそうです。
理由はいくつかあるのですが、中でも大きなものは、私がこのサイトの集客を意識するようになったことです。
ハルムスに関する知の集積と開示というサイト開設当初の目標は概ね達成されたと考えています。すでに何年も前から、ハルムスやオベリウに関心のある学生たちがここを訪れ、気になる記事を読んでくれているようです(批判的に読んでいる場合もあるでしょうが)。
それは大変ありがたいことです。
ただ一方で、当然ながら、もともとハルムスに関心のある人しかこのサイトを訪れてくれません。そこで、ハルムスやオベリウを普及させる、ということを考えるようになりました。
その新たな目標を達成するための試みとして、今年から、ハルムスとは関係しないトピックを積極的に掲載するようにしています。
海外文学の読書案内と現代日本文学のレビューはその典型例です。
また、ドン・デリーロの短編や『ポプテピピック』を紹介した背景には、ハルムスと本来は関係しないはずの作品を取りあげ、ハルムスと比較することで、ハルムスにも関心をもってもらおうという(姑息かもしれない)魂胆がありました。もちろん、これらを強引に結びつけたつもりはなく、そもそも関連に気づいたからこそ紹介したというのが本当のところです。
そういうわけで、非常にほそぼそとした些細な試みではありますが、ハルムス/オベリウ普及のきっかけになればいいと思っています。
※ところで、できれば近いうちに、ヴァーギノフのとある長編のごく一部を訳出して掲載する予定です。しばらくお待ちくださいませ。