おじいさんの死

 

おじいさんの鼻から小さな玉が飛び出して、地面に落ちた。おじいさんはその玉を拾おうとして身を屈めた。そのとき彼の目から小さな棒切れが飛び出して、やっぱり地面に落ちた。おじいさんは驚いて、どうすればよいか分からないまま、唇をぷるぷる震わせた。そのときおじいさんの口から小さくて四角いものが飛び出した。おじいさんは口を手で押さえたが、このときおじいさんの袖口から小さな鼠が飛び出した。おじいさんは恐怖のあまり気分が悪くなり、倒れてしまわないようにしゃがみ込んだ。しかしそのときおじいさんの中で何かがバリンと割れて、まるで柔らかな天鵞絨のシューバのように、地面にくずおれた。このとき、おじいさんの体に開いた破れ目から細長い小枝が飛び出した。その先端にはやせこけた小鳥がとまっていた。おじいさんは叫び声を上げようとした。しかし顎がもう一方の顎の裏に入り込んでしまった。それで叫ぶ代わりにただ弱々しいしゃっくりを一つして、方目を閉じた。もう片方の目は見開かれたまま、動きが止まり輝きも失い、微動だにしなくなり濁ってしまった。まるで死人の目のように。このようにして、自分の潮時を知らなかったおじいさんに狡猾な死が訪れたのだった。

1935-1936年